【完全版】サッカーの交代ルール ― 人数・タイミング・再交代まで徹底解説

公開日: 2026年3月16日

サッカーの試合中、監督がベンチの選手をピッチに送り出す「選手交代」は、試合の流れを変える重要な戦術です。しかし、交代には細かいルールが定められており、「何人まで交代できるの?」「いつ交代できるの?」「一度退いた選手はもう出られないの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

サッカーの交代に関するルールは、競技規則第3条「競技者」に定められています。近年では5人交代制の導入や脳振盪交代の制度化など、交代ルールは大きく変化しています。

この記事では、サッカーの交代ルールについて、基本的な仕組みから大会ごとの違い、延長戦や脳振盪交代の特別ルールまで、徹底的に解説していきます。

1. 交代の基本ルール(第3条)

サッカーの交代ルールは、競技規則第3条「競技者」に規定されています。試合に出場できるのは各チーム最大11人で、そのうち1人はゴールキーパーでなければなりません。そして、試合中に交代要員(ベンチメンバー)とピッチ上の選手を入れ替えることができます。

交代の基本原則

  • 交代要員の人数は大会規定で定められる(通常7~12人)
  • 交代できる人数の上限も大会規定による(公式戦では最大5人)
  • 交代はプレーの停止中に、主審の承認を得て行う
  • 交代で退いた選手は、原則としてその試合に再び出場できない

交代は単なる選手の入れ替えではなく、正式な手続きが必要です。主審の承認なく選手が勝手にピッチに入った場合は、競技規則違反として警告(イエローカード)の対象となります。

2. 交代人数 ― 大会ごとの違い

交代できる人数は、大会の種類や規定によって異なります。以下に主な大会の交代ルールをまとめます。

大会・カテゴリー 交代人数 交代機会
FIFAワールドカップ 最大5人 3回(+ハーフタイム)
Jリーグ(J1・J2・J3) 最大5人 3回(+ハーフタイム)
UEFAチャンピオンズリーグ 最大5人 3回(+ハーフタイム)
天皇杯 最大5人 3回(+ハーフタイム)
親善試合 最大6人 制限なしの場合あり

「交代人数」と「交代機会」の違い

交代ルールを理解する上で重要なのが、「交代人数」「交代機会」の違いです。

  • 交代人数:試合を通じて交代できる選手の合計数(例:5人)
  • 交代機会:プレーを止めて交代を行える回数(例:3回)

たとえば「5人・3回」の場合、1回の交代機会で複数人を同時に交代させることができます。1回目に2人、2回目に2人、3回目に1人、といった形です。ハーフタイム中の交代は交代機会にカウントされないため、効率的に交代枠を使うことが戦術の一部となっています。

ポイント

交代機会の回数は、両チームが同じタイミングで交代する場合、それぞれのチームにとって1回の交代機会としてカウントされます。つまり、相手チームの交代と同時に行えば、自チームの交代機会を節約できます。

3. 交代の手順

競技規則では、交代を行う際の正しい手順が明確に定められています。

交代の正式な手順

  1. 交代する旨を主審に通知する(通常、第4の審判員を通じて)
  2. 交代要員はプレーの停止を待ち、ハーフウェーラインのところで待機する
  3. 交代で退く選手がピッチから出る(最も近い境界線から出てよい)
  4. 交代要員がハーフウェーラインからピッチに入る
  5. 交代が完了する ― 交代要員は競技者となり、退いた選手は交代で退いた競技者となる

交代要員がピッチに入る場所はハーフウェーラインと決められています。一方、退く選手は最も近い境界線(タッチラインやゴールライン)から出ることができます。これは時間の無駄を省くためです。

交代要員がルールに従わない場合

主審の承認なくピッチに入った場合や、正しい手順を踏まずに交代が行われた場合、交代要員には警告(イエローカード)が提示されます。審判員は競技規則を守らせる義務があるため、たとえ試合の流れが速くても、正しい手順で交代を行うことが求められます。

4. 交代のタイミング ― いつ交代できるか

交代はプレーが停止しているときにのみ行うことができます。具体的には、以下のようなタイミングです。

  • ゴールキックの前
  • スローインの前(スローインを行うチームのみ。ただし、相手チームも交代する場合は両チーム可)
  • 得点の後
  • 負傷による停止中
  • その他、主審がプレーを停止した場面

スローインと交代の関係

スローインの場面では、スローインを行うチームは交代が可能です。相手チームは、スローインを行うチームが交代する場合にのみ交代できます。相手チームだけが一方的に交代することはできません。この点はよく間違えやすいので注意しましょう。

なお、コーナーキックの場面では交代はできません。また、フリーキックの場面でも、交代を行うのは原則として飲水タイムやクーリングブレイクの際などに限られます。主審がプレーの再開を急いでいる場合、交代が認められないこともあります。

5. ハーフタイム中の交代

ハーフタイム中の交代は、試合中の交代とは異なる扱いを受けます。

ハーフタイム中の交代のポイント

  • ハーフタイム中の交代は交代機会の回数にカウントされない
  • 交代人数のカウントには含まれる(5人交代制なら5人の枠を消費する)
  • 後半開始前に主審に通知すればよい

たとえば5人交代・3回の交代機会というルールの大会で、前半に1回の交代機会で1人交代し、ハーフタイムに2人交代した場合、後半に残っている交代枠は2人で、交代機会は2回です。ハーフタイムの2人は交代機会にカウントされないため、戦術的に非常に有効です。

監督がハーフタイムを利用して複数選手を入れ替えることが多いのは、こうしたルール上のメリットがあるためです。

6. 交代で退いた選手は復帰できない

サッカーの公式競技会において、一度交代で退いた選手は、その試合に再び出場することはできません。これは競技規則で明確に定められている重要なルールです。

再出場禁止の原則

交代で退いた競技者は、その試合にそれ以上参加することができない。

※大会規定により再交代(リエントリー)が認められる場合を除く

アイスホッケーやバスケットボールのように、選手が何度もベンチとピッチを行き来することはサッカーでは認められていません。

ただし、一部のユース年代の大会アマチュアリーグフットサルでは、大会規定により再交代(リエントリー)が認められている場合があります。大会ごとのルールを確認することが重要です。

交代で退いた選手の立場

交代で退いた選手は、「交代で退いた競技者」という立場になります。引き続きテクニカルエリアに留まることはできますが、もはや試合に参加する資格はありません。退いた選手が不正にピッチに入った場合、警告の対象となります。

7. 延長戦での追加交代枠

カップ戦などで延長戦が行われる場合、多くの大会では追加の交代枠が与えられます。

延長戦の交代ルール(一般的な大会規定)

  • 延長戦に入る際、追加で1人の交代枠が与えられることが多い
  • 90分間で使い切らなかった交代枠はそのまま延長戦でも使用可能
  • 延長戦に入る前のインターバル中にも交代可能(交代機会にカウントされない)
  • 追加の交代機会が1回与えられる大会もある

たとえば、Jリーグカップ(ルヴァンカップ)やFIFAワールドカップでは、延長戦において追加で1人の交代が認められています。90分間で5人の交代枠を使い切っていた場合でも、延長戦でさらに1人交代させることができます。

延長戦は選手にとって大きな体力的負担がかかるため、この追加交代枠は戦術的にも選手保護の観点からも重要な役割を果たしています。

8. 脳振盪交代との違い

脳振盪交代(Concussion Substitution)は、選手の安全を守るために導入された特別な交代制度です。通常の交代とは別枠で行われるため、チームの交代戦略に影響を与えません。

脳振盪交代の主な特徴

  • 脳振盪またはその疑いがある選手に対して使用できる
  • 通常の交代枠とは別枠で、各チーム1回まで使用可能
  • 通常の交代人数にはカウントされない
  • 相手チームも追加で1人交代できる(公平性の確保)
  • プレーの停止中だけでなく、必要に応じて即座に対応する

通常の交代と脳振盪交代の比較

通常の交代:交代枠(5人)を消費する。交代機会の制限あり。

脳振盪交代:交代枠を消費しない。別枠で各チーム1回。選手の安全が最優先。

脳振盪交代が導入された背景には、脳振盪が選手の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があるという医学的知見があります。交代枠を気にして脳振盪の疑いのある選手をプレーし続けさせることがないよう、別枠として設けられました。

脳振盪交代を行う場合、チームドクターが脳振盪の疑いがあると判断し、主審に通知します。この交代は通常の手順とは異なり、選手の安全を最優先に迅速に行われます。

9. 交代に関するよくある質問

Q. GK(ゴールキーパー)も交代できますか?

はい、GKも交代できます。交代要員のGKとフィールドプレーヤーを入れ替えることも、フィールドプレーヤー同士の交代と同じ手順で行います。また、交代ではなくピッチ上の選手同士でGKとフィールドプレーヤーのポジションチェンジを行うことも可能です。この場合はプレーの停止中に主審に通知する必要があります。

Q. 退場(レッドカード)になった選手の代わりに交代できますか?

できません。退場処分を受けた選手の補充のために交代を行うことはできません。チームは退場した選手の分だけ少ない人数(例:10人)で試合を続けなければなりません。交代枠が残っていても、退場選手の穴を埋める交代は認められていません。

Q. 交代枠を使い切った後に選手が負傷した場合は?

交代枠を使い切った後に選手が負傷しても、追加の交代は認められません(脳振盪交代を除く)。負傷した選手が続行不能な場合、チームは少ない人数で試合を続けることになります。ただし、チームの人数が7人未満になった場合、試合は中止となります。

Q. 交代手続き中にプレーが再開されたらどうなる?

交代の手続きが完了する前にプレーが再開されてしまった場合、交代要員はまだピッチに入ることができません。次のプレー停止時まで待つ必要があります。すでにピッチに入ってしまった場合は、主審が対応を判断します。

Q. 1人の選手が前半と後半で異なる背番号をつけることはできますか?

競技規則上、選手はユニフォームに番号をつけなければなりませんが、ハーフタイム中に背番号を変更すること自体は禁止されていません。ただし、多くの大会規定では事前に登録した背番号の使用が義務づけられており、変更は認められないのが一般的です。

まとめ ― 交代ルールを正しく理解しよう

サッカーの交代ルールについて、改めてポイントを整理します。

  • 交代ルールは競技規則第3条に規定されている
  • 公式戦では最大5人の交代が一般的(大会規定による)
  • 交代機会はハーフタイムを除いて3回までが主流
  • 交代はプレーの停止中主審の承認を得て行う
  • 交代で退いた選手は、原則として再出場できない
  • ハーフタイム中の交代は交代機会にカウントされない
  • 延長戦では追加の交代枠が与えられる大会が多い
  • 脳振盪交代は通常の交代枠とは別枠の特別制度
  • 退場した選手の補充のための交代はできない

交代ルールは一見シンプルに見えますが、交代機会の回数制限やハーフタイムの扱いなど、細かい部分で奥が深いルールです。これらを正しく理解することで、監督の交代戦略や試合の流れがより深く読み取れるようになります。

サッカー観戦や審判活動の際に、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

ジャッジDB

実際の試合映像を見ながら、DOGSO・VAR介入・PK判定など現場のジャッジを競技規則に基づいて解説しています。

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